引越し・新生活の際に地域とのかかわりで気になることが「消防団」の加入。
訓練や冬場の警備など、どのくらい拘束時間があり、その給与はどのくらいなのか気になる方もいるでしょう。
自治体によって異なる部分も多い消防団ですが、今回は「地域消防団の給与や拘束時間」について、私の住んでいる地区の実態をもとに詳しく解説します。
消防団の活動内容と拘束時間
消防団の活動には多くの種類があります。私の地区では「災害活動」や「訓練」、「夜の警備」などが主な役割です。
ここでは各活動について具体的に紹介します。
給料は?
消防団のメンバーの給与は時給制です。
私の住んでいる地域では、時給900円と設定されています。家庭を持つ大人が最低賃金以下で土日夜間に出動するのは、ちょっと厳しいですね。
「地域のため」という言葉を盾にしますが、それを理由に低賃金で活動させられることはやはり違和感を感じてしまいますね。
災害活動
「災害活動」は、実際に火災や台風など災害が発生した際に出動する活動です。私の地区では年1回ほどの出動実績があり、1回につき約3時間拘束されていました。
現場では消火活動や住民の避難誘導、後片付けなど多様な作業を担います。ヘルメットや防火服を着用し、危険と隣り合わせの作業も含まれます。
時給900円のため、1回の出動で2,700円ですが、金額以上に「地域のため」という責任感で成り立つ活動だと感じます。
非常呼出し
「非常呼出し」は緊急時に発令される短時間の出動で、私の地区では年間12回、月1回ペースで呼出しが掛かっていました。
消防署からの一斉連絡で招集され、主に出火確認や待機指示などの対応を行います。拘束時間は1時間と短めですが、突発的に呼ばれるため「家族での外出中」「子どものお迎え中」にも連絡が入る可能性があります。
夜警
「夜警」は地域の防犯・防災のために、夜間にパトロールを行う活動です。
火災が起きやすい冬場12月~3月の夜8時ごろに行います。1回3時間掛けて地域を消防車で周り、「火の用心」とアナウンスします。
各メンバーで分担して行うため、1シーズンで3回ほど出動します。
消防訓練
「消防訓練」は年間4回、各4時間行われます。内容は放水訓練や救助訓練、器具の操作確認など多岐にわたります。
朝から昼過ぎまでの時間帯が多く、週末の午前中が拘束されることもしばしば。体力的に負担が大きい活動であり、夏場は熱中症リスクもあるため注意が必要です。
地域によっては「消防操法大会」に力を入れている消防団もあるようですが、私の消防団はそんなに力を入れていないようです。
野焼き
「野焼き」は年1回、地域の河川敷や農地の雑草を焼き払う作業です。拘束時間は3時間程度で、午前中から正午まで行われます。安全第一で進められるものの、炎を扱うため危険性を伴い、保護具の着用が必須です。地域によっては、野焼きに反対意見もあり、周囲との調整が必要になるケースもあります。
団員の年間報酬は?
ここまで紹介してきた活動時間を積み上げると、年間の合計給与は38,700円となりました。
その他、団長など役職に就くと手当がでます。また、退団時には記念品の贈呈などもあるようです。
報酬の総額は、いわゆる“お小遣い程度”の額ですが、時間的・体力的な負担は決して軽いものではありませんね。
家族への影響と子育て世代の視点
消防団への参加は、家族にも少なからず影響を与えます。特に夜間の呼び出しや訓練、夜警などがあると、子どもの寝かしつけや家事を一時的に一人でこなす必要が出てきます。
子育て中の家庭では、こうした状況に備えたサポート体制を整えることが大切です。地域の活動を通じてパパが地域のヒーローになる一方で、家庭内での役割分担の見直しも必要かもしれませんね。
まとめ
消防団の活動は、地域にとって欠かせない大切な役割を担っています。一方で、子育て中のママやパパにとっては「時間的な負担」と「家族への影響」という課題も見えてきます。時給900円という数字だけでなく、実際の拘束時間や活動内容、家族への影響を総合的に考えて、無理のない範囲で関わり方を選ぶことが重要です。地域のつながりを大切にしつつ、家庭の平和も守るバランスを一緒に考えていきたいですね。