首の裏にできた「粉瘤(ふんりゅう)」は、痛みがないうちは放置されがちですが、放っておくと大きくなったり炎症を起こすこともあります。
私もまさにその一人で、5年ほど前から首の裏にしこりを感じながらも放置していました。
しかしある日、寝ているときにズキッとした痛みが走り、ついに手術を決意。この記事では、私が実際に日帰り手術を受けた体験をもとに、手術の流れや痛み、術後の経過を詳しくまとめます。
粉瘤の手術を検討している方や不安を抱えている方の参考になれば幸いです。
粉瘤とは

粉瘤とは、皮膚の下に袋状の構造(嚢胞)ができ、その中に老廃物や皮脂がたまる良性のしこりのことです。
正式には「表皮嚢腫」と呼ばれます。原因は明確ではありませんが、毛穴の出口が塞がったり、外傷や炎症などがきっかけで発生することが多いです。
初期の段階では痛みもなく、触るとコリコリした感触がある程度です。
そのため、放置してしまう人も多いですが、内部にたまった皮脂や角質が増えると徐々に大きくなります。
さらに感染すると赤く腫れ上がり、強い痛みや膿が出るケースもあります。
私の場合も、当初は何も感じませんでしたが、数年後に神経に触れるような痛みを感じるようになり、手術に至りました。
粉瘤は自然治癒しないため、根本的な治療には摘出が必要です。
私の粉瘤記録

首の裏にしこりを感じたのは5年前。最初に皮膚科で診てもらったときは「おそらく良性の粉瘤で、すぐに処置は不要」との診断でした。
痛みもないためそのまま放置していたのですが、年々わずかに大きくなっている感覚がありました。
ところがある日、寝ている最中に首の後ろがズキンと痛み、まるで神経を圧迫されたような違和感が走りました。
数年ぶりに再び病院に行きましたが、今度は耳鼻咽喉科ではなく、皮膚科・整形外科の専門医にかかることにしました。
粉瘤の手術は耳鼻科の領域ではなく、皮膚外科や形成外科が専門です。
診察の結果、「痛みや違和感が出ているのであれば、切除が必要」と判断され、日帰り手術を受けることになりました。
粉瘤の大きさは13mm程度と測定されました。自分で計測してみると20mmぐらいかと思っていたのですが、深さを測っている気がしました。
手術の流れ・痛み

手術当日は、首元に局所麻酔を4か所打たれました。麻酔針を刺す瞬間だけはチクッとしますが、数秒で感覚がなくなります。
切開中や摘出中の痛みはまったく感じませんでした。
医師が「ここに袋がありますね」と言いながら慎重に取り除いていく様子が聞こえ、ものの15分ほどで終了。
思っていたよりもあっけない手術でした。
術後は止血とガーゼ固定を行い、そのまま車で帰宅可能。
意識もしっかりしており、日帰りでも問題ありませんでした。
医師からは「中の袋を完全に取り切ったので再発の心配は少ない、念のため病理検査をする」と説明を受けました。
粉瘤手術と聞くと痛そうなイメージを持たれがちですが、実際は麻酔が効くため痛みはほとんどなく、処置時間も短いのが特徴です。
手術後の生活
手術翌日から数日は、首の筋肉痛のような違和感と軽い頭痛がありました。
首を後ろに反らすとヅキッと引っ張られる感覚があり、運転やデスクワーク中も姿勢に注意が必要でした。初日は入浴禁止で、代わりに体を拭く程度で済ませました。
2日目には痛みがかなり軽減し、医師の許可を得てシャワーを再開。
傷口に直接お湯を当てないよう注意しながら、清潔を保つようにしました。
3日目以降はほとんど痛みがなく、生活も通常通り。ただし、朝晩の消毒と塗り薬のケアは欠かさず行いました。
小さなガーゼで保護するだけでも安心感があります。
1週間後に抜糸を行い、傷口はきれいに閉じていました。
ただし、私は肌が弱く絆創膏負けしてしまい、かゆみが出ました。敏感肌の人は低刺激タイプのテープに替えるとよいでしょう。
完治までの期間は約2週間でしたが、仕事への支障はほとんどありませんでした。
まとめ:粉瘤は「早めの相談」と「専門医選び」が鍵
今回の体験を通して感じたのは、「粉瘤は放置せず、早めに専門医へ」ということです。
初期は痛みがないため見過ごしがちですが、炎症を起こしてからでは処置も大変になります。皮膚科や形成外科は粉瘤の手術経験が豊富なため、経過や再発リスクについても的確にアドバイスをもらえます。
また、手術は思っていたよりも短時間で、痛みもほとんど感じません。
術後も日常生活に大きな支障はなく、消毒などのケアを続ければ問題なく回復します。
もし首や背中、耳の後ろなどに「しこり」を感じたら、早めに診察を受けることをおすすめします。小さな不安のうちに行動すれば、結果的に負担は最小限で済みます。
粉瘤は誰にでも起こり得る身近な皮膚トラブルですが、きちんと対処すれば怖くありません。
この記事が、同じように悩む方の安心材料になれば幸いです。
